本日、結婚いたしましたが、偽装です。




俺が叫んだと同時に、目的の階に着いた。



ドアが開くと、俺はエレベーターの中に腹の立つ男を残してエレベーターを出た。



「あっはっは!冗談だからそんなに怒らないでよ〜」



龍御寺は開けるボタンを押して、俺に言った。



「ふん、そうかよ……」



素っ気ない口調とは裏腹に、冗談という事に心底から安堵しているのが分かった。



……全く、笑えない冗談はよして欲しい。



「でも、あんなに真剣な鬼ちゃんは珍しかったな〜。それだけ……。あ、ごめんね、引き留めて。まだ仕事中だったね。じゃあ、また後で〜。昼休みになったら連絡するから〜」



「おい、一緒に昼メシ食うのかよ」



「いつも会った時はそうしてるでしょ〜。僕ここの社員じゃないからボッチ飯になっちゃうから〜。……一緒に食べてくれないと、“あの子”に言っちゃうよ〜?」



「っ、龍御寺!!」



憎たらしい男は高らかな笑みを残して、エレベーターの中に消えた。



……全く、油断も隙もない!