大企業の社長のご令嬢はじめ、高級料亭の一人娘、有名な華道の先生の一人娘、呉服屋の末娘、政治家の上から三番目の娘、はたまた芸能人の二世だったり。
両親が無駄に交友関係が広いせいもあって、嫌でも絶え間無く縁談が舞い込んでくるらしい。
それで俺の父親の元部下である社長は父親に頭が上がらないので、俺の両親に俺の嫁探しを頼まれてこうして両親と一緒になって俺に見合いを勧めてくるのだった。
「うーん、今回はなんと、なんと、僕の娘ちゃんでぇーす!」
社長はどこからか、自分の娘の写真を出して俺に見せた。
「謹んでお断り申し上げます」
「えっ、早⁈鬼たん、断るの早くないかい⁈」
「あなたと姻戚関係になるなんて死んでも嫌なので。お義父さんと呼ぶなんて絶対に嫌です」
「えっ、ひどい!ウチの娘ちゃん、すごく可愛いよ⁈こんな可愛い子、他探してもいないよ⁈」
「あなたの娘が嫌ではありません。ただ、何度も申している通り自分の結婚相手は、」
「「自分で決めたい」」
俺を遮って、龍御寺と社長が声を合わせてそう言った。
……俺は、自分の結婚相手は絶対に自分で決めたかった。
決めた人ではないと、結婚したくはなかった。
それでいつもその言葉で、いくつもの見合い話を断った。
「まあ、鬼たんはそう言うと思ったけどね。僕も可愛い我が子、そう簡単に嫁になんて出したくないもんねー」
諦めてくれたことは感謝するが、やっぱり人を馬鹿にしたような言い方には腹が立つ。
「だけど、鬼たんも一度決めたらもう変えないよね。今まで沢山見合い話が来たのに、一度も受けていないんだから」
