「な、凪ちゃん」


「何?」


私は最悪な失態を犯しました


せっかく凪ちゃんが一緒に帰ってくれるというのに


その嬉しさに、バックを教室に忘れてしまいました



「凪ちゃん。ご、、ごめんなさい。教室に忘れ物しちゃって…」



「あぁ。バックでしょ?…必要ないのかと思って何も言わなかったけど」


なんて呆れた顔をする凪ちゃん


し、知ってたのか…



「ごめんね!先帰っててっ」


私は走ろうとする




「いいよ、私も行く」



そう言って美人さんが私の後ろを歩く


なんか…色々奇跡みたいなことが起こってるんだけど…



なんて考えながら私と凪ちゃんは目的地に向かう



教室に近づくなり


女子の声が聞こえてくる




「なんだっけ…あの…橘さん?最近、日比野君にベッタリな子」




…橘って、私?


私はドアを開けようとした手を止める





「あの子顔はいいけど…なんかぶりっ子みたいだよね」



「そうそう。どうせ日比野君にも色目使ってるんじゃないの?」


「あははっ、ありえる〜。しかもこの間日比野君と一緒に帰ってたらしいよ」


「え、まじで?だから今日教室で仲いいですよアピールしてたんだ」



仲いいですよ…アピール?



私は今日のことをフラッシュバックする



すると、心当たりがある行動をしてる



私ははしゃいでアオ君に話しかけて、アオ君が私の頭を撫でる…っていう



…あーあ。。やらかしちゃった



「瀬戸口凪…って子もなんか気に食わないんだよね」


「あの一匹狼?」



「そう!私…かっこいいでしょ?みたいな雰囲気出てる」


「あー確かに!しかも椿君とも仲いいらしいよ」


「えー、こわっ。イケメンに媚び売るタイプか…」



……なに、、それ



私は恐る恐る凪ちゃんを見る


明らかに辛そうな顔をする凪ちゃん



ガラッ


私は勢いよく扉を開けた



こんな凪ちゃんの顔…見たくないよ


友達になりたいのに…



「凪ちゃんはそんな事しないっ」



教室で私たちの話をしてるふたりに向かってそう言う



「橘さん!?」


バツの悪そうな顔をするふたり




「凪ちゃんは…すごいいい人なんだよ」


「…」



「こんなにしつこい私なんて迷惑でしかないはずなのに、一緒に帰ってくれたり

感情表現が苦手でも、手紙として私に伝えてくれる。

椿君とだって、ちゃんと信頼しあってる友達なんだよ?」



は?とでも言いたげに私を見る



…言いたいことがありすぎてなんて言っていいかわからなくなる



でも、



「凪ちゃんは雰囲気とかじゃなくて、かっこいいんだよ!!

私の事なんていっぱい言っていい!

でも凪ちゃんの事言ったら…私は凪ちゃん素敵な人だから憎んでるのかなって思うよ…!」



「…は?憎んでる?」



「ばかじゃないの」


なんて笑われる



でも、きっと二人は嫉妬してるんだよ

凪ちゃん完璧な人だから




「確かに、凪はイケメンに媚び売るようなやつじゃねーよ」



後ろから、聞き覚えのある声がする


声主は私の肩に手を組む



「つ、椿君!?」



二人は目を丸くして高身長の金髪君を見る



「凪はこうやって影で誰かを悪く言ったりなんかしない。ほんとかっこいいやつだよ」



わかったか?そう言いながら二人の頭を撫でる椿君



その2人は顔を赤くして教室を出てった