記憶を失くした少女【完】




「………取りあえず、ここの前じゃヤバイし離れるか」


「……………………はぁ……」


ヘナヘナ~…………。


急な安心感から、その場に座りこんだ。


足に力が入らない。


「………………………怖かった」


このまま助からないかと思った。


不思議と目から涙が流れる。 


「立てるか?」

「…………無理そう」


「…………っチ。仕方ねぇな」


「………キャッ!!」


男は座り込む私にお姫様抱っこをした。

おんぶより怖い!!!


「…………………………っていうか、なんでこんなとこにいたのよ。










 
 




 蘇芳遥輝」



私を憎んでいるであろうこの男に、なぜ私は助けられたのだろうか。



っていうか、ちょくちょく助けられてるよね………………。


ほんと、タイミング良すぎ。