人があまり来ないような隅っこのとこだけど、いい感じに光は当たってるし、コンクリートのとこに腰を下ろせばスカートが汚れなくてすむ。


小さな花が咲いていたりもして、何だかちょっとピクニック気分。


凌馬さんのとこに行った帰りに、料理の本と弁当箱、そして材料を買い、無事に仕上がったお弁当を今日は持ってきた。


見た目は少し悪いけど、割と美味しくできたと自分では思ってる。


炊飯器がなかったからレンジで温めた市販のお米を詰めることになったけど、それはそれで普通に美味しい。


1人流れゆく雲を見ながら、ホッと息をついていた。


_____…………とき。


まさかこんな隅に生徒なんか来ないと思っていたのに、まさかの生徒がやって来た。


「あれれ~?可愛い子ちゃんがこんなとこでご飯食ってんだけど!!」

「うぉっ、まじだ!!」


「こんなとこで、ぼっち飯なんかしてどうした~?」


上級生だからなのか、休学生という単語は出て来ない。


逆に上のクラスには伝わっていないのかも。

「黒髪って珍しいね?染めたの?」

「1年?君みたいな子珍しいわ」


近寄って来る度に後ろへ下がるが、逆に追い詰められてしまう。


「何で逃げるのさぁ~!」

「ほら、俺達と話しよーぜ(笑)」


ニヤニヤする顔が、ふとあのときの男たちと重なる。


…………………怖い。


「ほら!捕まえた~(笑)」


腕を捕まれ、逃げることが出来なくなった。


「俺達は別に悪いことするつもりはないって~!」

「…………じゃあ、離してください」


「そんなことしたら、逃げるじゃん(笑)」