記憶を失くした少女【完】





「そういえば遥輝くんのクラスの子も今休学してるよね?」

「俺のクラスに休学してる人なんかいたか?」


萌はそう言うがあまり興味ないから覚えてもいない。


「同じクラスなのに忘れたらその子可哀想じゃん(笑)」


「ほら、萌。遥輝ってあんま女に興味ないじゃん?」


「え~?萌だって女だよぉ?」

「萌は別じゃん(笑)」

でも、確かに考えたらいた気もするな。


「よくさ、遥輝に媚びうる女たちの中にいたよな(笑)姫になりたいとか言って(笑)」


たくさんいすぎて逆に分かんねぇ。

姫になれば特別扱いされるだの、そんな権力自体が好きでなりたいだの、くだらない女が多すぎる。


「萌は名前言えるよ!」

「萌も忘れてるんじゃねぇの?(笑)」

「大平うるさい!えっとねぇ~……」


別にそんな女なんて俺は今更知ったところでどうでもいい。


今は休学してんなら知る必要もねぇし。


とか、思っていたが萌が言った言葉が衝撃的すぎて、一瞬固まってしまった。


「山田綺羅だよ!金髪でさ、メイクとかも濃すぎだし、喋り方も萌の苦手な感じだったから覚えてるもん!まぁ、それにあんな事されたら忘れられないよね」

………………山田……………綺羅………………?



「なんか、援交してるとか噂あったな?それで、稼いでるとかさ」


「あれは究極のビッチだよな(笑)金の為なら手段を選ばないって感じ?それに萌イジメてたことあって、俺ら目つけてたじゃん」


 俺の知ってる山田綺羅は黒髪だし、変な喋り方はしてない。


イジメなんかあったけな?………………………あれか。


その時は適当に対処して終わらせたやつだよな。


「なんでその子休学してるんだろうね?」

「噂では喧嘩で入院したとか言ってた」


「ん?俺は修羅場に巻き込まれて大怪我おったって聞いたぞ?」

「どっちにしてもやべーよな(笑)」