記憶を失くした少女【完】



「そう言えばさ~、さっき階段登っているとき黒髪の子見たんだけど珍しいよね~!」


そう言ったのはさっきまでは喧嘩のことしか行っていなかった大平。



「それって休学してた生徒じゃないのか?みんな噂をしていた」


「あ~!その子か!!」


勉の返答で周りも『あの子か』といったような感じになった。


「すれ違ったのか?」

「ううん。後ろ姿だけチラッと見えただけ。あっち方面って保健室だけど、怪我したのかな?」


と言うことは会ってはいないのか。


「………………見ないと思ったら保健室にいたのか」

そりゃあ、クラス探してもいないわけだと俺は心の中で納得した。