記憶を失くした少女【完】



【side遥輝】


綺羅が屋上から出て行って数分後、俺の感通りにアイツらがやって来た。


「あ、やっぱりここにいた!」


「まぁ俺らの休憩場所だし、当たり前他の人はいないか(笑)つまんねぇの!」


「お前いたら喧嘩する気だろ?」


「あ、バレた?」


「理由のない喧嘩は控えろって遥輝に言われたばかりだろうが」


呆れたように仲間から言われたのは、喧嘩が大好きな大平蓬(おおひら よもぎ)。


そして、大平にそう言ったのは落ち着いた性格で組の頭脳、矢野京也(やの きょうや)。


その近くで笑っているのが体格のいい宇佐勉(うさ つとむ)で、


「ここ日焼けするから僕は影に行ってるね」


そう言って屋上のドア付近の影に向かうのは、自称可愛さ担当のピンクの髪の毛をした天野瑠衣(あまの るい)。



「みんなもう集まってたんだ~!」

最後に来たのは姫の安堂萌(あんどう もえ)。


俺はRYUSEIという族の総長をしてる蘇芳遥輝。


このメンバーは俺の率いるRYUSEIという幹部メンバーで、この屋上はよく皆で休憩したりする場所。


だから、生徒は恐れてここへ立ち寄らない。