記憶を失くした少女【完】





言うことに躊躇ってしまう私がいた。


「2年………」


「2年の何組か?」


後はB組と言うだけ。言うだけだけど……………。


それが、出て来ない。


私が黙っていることを不思議そうに感じていたが、それ以上に何かを察したような顔をした。


「……………………お前はもう行け」


「え?」

「もう直ぐ俺の仲間がここに来る。今行けばまだすれ違わないと思うから行ってろ」


そんなこと言うが、もとからここにいたの私だからね?


サンドイッチも手に持ったままだし、これで行くの?


「あとここに来るのは気をつけろ。俺は別に構わないが仲間が気にくわなく思うかもしれねぇから」


このあいだ会った人と考えてよさそうだけど、その部活仲間さんは結構短気な方なんだ。


まぁ、たくさん人が集まる前に出ておくか。


私は手に持ってたサンドイッチを一気に口に運ぶと、カバンを持って屋上から出て行った。


その人が言う通り、仲間さんには会わずにすんだ。