記憶を失くした少女【完】




ケータイの画面をふと見ると、緑色のライトがピカピカと点滅しており、私はLIMEを開いた。

1人しか入れてないから誰かなんてことは、見なくても分かる。


_____〈学校はどうだ?〉


_____〈勉強覚えるの大変だけど覚えるのは楽しいよ〉

直ぐさま返事を返すと、数秒もせずに返事が返って来た。


_____〈無理するなよ?お前のペースで頑張れ〉


仕事で疲れてるだろうに気遣ってくれる凌馬さん。

何で、ここまで私のことを気遣ってくれるのか疑問になるぐらいだ。


でも、記憶のない私にとって凌馬さんは心の支えになっているから、スゴく助かってる。


_____〈凌馬さんも頑張ってね〉

そう返信して直ぐ。来る気配なんてなかったのに、いきなり屋上のドアが開いた。


____ガチャ。


人が来たことに驚きサンドイッチを食べる手が止まる。


もし、いかにもガラの悪い人だったらカバンを持ってこの場を離れよう。

私の目がドアの方に集中する。