私、静かな空気少し苦手なんだよね…………また色々と考えてしまうから。
先生はここで食べていいと言っていたが、私は気を紛らわせるためにカバンを持って部屋の外へと出ることにした。
保健室は生徒たちのいる教室の棟とは違って、屋上や職員室のある棟に位置するため、そこまで生徒とはすれ違わない。
すれ違っても先生ぐらい?
「おう、山田!」
保健室から出た辺りで厳つい感じの先生と出会った。
「本当に落ち着きやがって叱りがいがなくなって寂しいじゃねぇか!」
そういって大きな口で笑う先生………………。
「あ、お前記憶ないんだって?職員室会議で聞いたぞ!…………まぁあまり口外する気はねぇから安心しろ!」
「ありがとうございます」
別に言ってもいいんだけどね。いずれバレるし。
「じゃあな!!」
「え、あ………………」
行っちゃった。
名前聞きたかったんだけどな。
っていうか、私あの人からいつも叱られてたの?
そっちの方が気になるんだけど。
モヤモヤしながらも、ご飯の食べれそうな場所を探す。
確かこの棟には屋上がある。
ドアがもし開いてたらそこでのんびりしよう。
そう思った私は階段を登り、屋上を目指した。