記憶を失くした少女【完】





「あ、パフェきたぁ~♪」


そんな話に区切りがついた頃に、ちょうど店員さんが注文していたパフェをテーブルに持ってきた。


思ってたのよりも大きくて、食べごたえありそうな見た目のそれを私達はよく味わい、食べ終わった後は買い物も全て済んだということで、萌ちゃんと分かれて家へ帰ることになった………………………………が。



_______♪


カバンの中から聞こえてくるのは電話の着信音。画面を見たら遥輝からで、私はすぐさま電話に出た。


「今どこだ?」


「え?今は萌ちゃんと買い物しに商店街いるけど…………あ!もしかして萌ちゃんに用事だった?」


さっきまで一緒にいたんだけど、ちょうど分かれちゃったんだよね……………。


あれ?でも萌ちゃんと遥輝はそれぞれ連絡先交換してるだろうし、わざわざ私にかける必要はないのか。


「……………………違う」


まぁ、私の携帯にかけたのだから私ですよね………………。


休日に電話なんてどうしたんだろう?


「何となく電話してみただけだ」

なにそれ………………何となく電話って。


「他にすることなかったのー?………って、遥輝は勉強とかしないか(笑)大平くんとかは?」


一緒じゃないの?


「んー…………まぁお前の声聞きたかったし」

____ドキッ。


「……えっ?」

そんな理由でわざわざ電話してきたの!?


遥輝のことだから深く考えて発言してないと思うけどさ………。


「あいつらも俺と一緒にいる。大平に関しては綺羅に会いたがっていて、正直鬱陶しい……………」


大平くん……………………鬱陶しがられてる(笑)


そういえば、今日遊ぼうって誘われてたんだけど今日は萌ちゃんと買い物するからって、断ったんだよね。


…………でもまぁもう用事は済んだし。


「そっちに行ってもいい?」

「………あぁ。今は倉庫にいるから、そっちに下っ端を向かわせる。そいつと来い」


「わかった」


待っている場所を遥輝に伝え、数十分後。

バイクに乗った下っ端くんが私のもとへやって来た。