記憶を失くした少女【完】



っていうか、


「そう言う萌ちゃんはどうなのー?」


目の前で最初に出されたお水を飲みながら私の話を聞いている萌ちゃんに逆質問をふってみるが、焦るどころか余裕な表情をしていた。


「え、萌~?好きな人はぁ居ないよ?」


堂々とした、いない宣言に逆に私が戸惑う。


「なに?好きな人がいない人は恋愛トークしちゃいけないのぉ~?」


「いや……………」


今までのアドバイスは一体どうゆう経由で………………?


「萌ね、昔片思いしてたの」


片思いってことは、実らなかったってことかな?


「萌もあんたみたいに自分の感情に鈍かったし、そもそも恋したことなかったから、友達に言われるまで気づかなかったわ」


懐かしむようにそう語る。


「まぁ、結局何もできずに終わっちゃったんだけどね(笑)」

そう笑う萌ちゃんは吹っ切れた様子だけど、あまりいい笑顔ではなかった。


少しだけ何も出来なかった自分に後悔してるのだろうか。