……………………っと、その前に。
「凌馬さん」
まずは凌馬さんに伝えないと。
転校したばかりでこんな事をいうのもあれだけど…………………………ね？
「私……………言いそびれたけど記憶戻ったの」
「……………………え？」
「だから、記憶が戻ったの！」
いきなりのカミングアウトに凌馬さんは唖然とした。
「家族のことも分かってる。なぜ記憶失ったとき、凌馬さんが知らないと嘘ついたのも。それは私を気遣ってのことだったんだよね？」
記憶を失って空っぽになった私に、家族のことを話すとなおさら悲しませてしまうと思って。
「…………………………それはいつからだ？」
「あの日、頭を殴られて起きたら記憶が戻ってた」
「………………………そうか。じゃあお前が俺に従って離れたのもそのためか？」
「うん」
さすが察しのいいこと。
「…………で、なぜこのタイミングで話したんだ？言わなければバレなかっただろうに」
「私ね、RYUSEIのみんなとまた絡みたい。前みたいに笑い会いたいの。別に今の生活に満足してないわけでもない。……………………けど、やらないと行けないこともあるから！それだけは知ってて」
まだ萌ちゃんと決着はついていない。
