記憶を失くした少女【完】




こんな話しされても、西田くん困ると思うけど………………………。



「ん~………………やっぱ聞いても話さっぱり分かんないんだけどさ、居場所だと思ってたんだろ?それならそれでいいじゃん。居場所って自分で見つけるもんだし、客観的に見て決めるもんじゃないと思うけどなぁ~」


「相手の居場所を奪ってまで、自分の居場所を優先ってこと?」


「あ、違う違う。そうじゃなくて、遠慮する居場所なんて始めから居場所じゃないって話。向こうも居場所だと思ってんならどんな結果であれ、必死に守ろうとしてくんじゃん?それなら逆に自分のやり方でこっちも戦い合うんだよ」


「た、例えば………?」


「綺羅は酷いことするようなやつには俺は見えない。相手がどうであれ綺羅は綺羅らしくやればいいんだ。仮に向こうが酷いことをしてきたのなら、綺羅はその優しさで出来ることがあるんじゃないか?」


私らしく…………………私のやり方で?


「資格とかもよく分かんねぇけど、それも向こうが決めることことだと思うぜ?案外、思い込みってのもよくあるしな(笑)」


西田くん……………………………すごい。


「西田くんって見た目によらないね!!」


「それ…………褒めてんの?(笑)」


「褒めてるよ!」


取りあえず遥輝に伝えることから始めよう。


私が思っていたこと。記憶が戻ったこと。


なんで、離れたのか。


その上で向こうに決めてもらおう。