記憶を失くした少女【完】




「ねぇ、どこから転校してきたの?」


「蒼坂高校ってところ!分かるかな……?」


「えっと、どこだっけ?どの辺??」

「あ、私分かるよ!なんか暴走族に加入してる生徒がいるんだっけ?」


____ドクンッ。


「えー、なにそれ!怖いね…………あ、綺羅ちゃんも怖くて転校してきたの?あ、でもその割にはこんな時期はおかしいか…………」


「その話はもうやめようよ!綺羅ちゃん困ってるでしょ!」

「あ、ごめんねー!」


喧嘩を売られる以下に、こうやってクラスメイトの女の子と話したのは初めてな気がする……………。


しかもみんな優しい。


「私、里菜(りな)!」


「うちは亜美(あみ)!よろしく♪」


「アタシは千代(ちよ)ね!」



この日はこの3人が学校の中を案内してくれた。