記憶を失くした少女【完】




……………………まぁ、思い出したからと言って、今の私は変わらないけど。


記憶が蘇ったことで知らなければいいことも思い出したわけで、今まで通りに遥輝たちの前にはいけない。


みんなに申し訳なさすぎる…………………。


______ガチャ。


「あら、起きちゃってる」

自己嫌悪に浸っていると萌ちゃんが部屋に入ってきた。


萌ちゃんは私が憎い。居場所を奪って、嫌がらせもした私だから。

もし私が萌ちゃんだったら、嫌だもん。


「起きててもいっか~!喘ぐところを取ったほうが、本当みたいに見えるしぃ」

そう言ったとき、開いたままのドアの方から数人の男が入ってきた。


「いい感じに撮ってあげるから、安心してぇ♪」

片手にデジタルカメラを持った萌ちゃん。

今にも男たちが襲いかかってきそうで、とても怖い。