カバンは取り上げられてるから連絡とれないし……………………、これからどうしよう。


それより今から一体何をされるのか考えると少し恐ろしく感じる。


_____ガチャ。


座ってそんな事を思っていると、唯一のドアが開き、中に誰かが入ってきた。


…………………………………萌ちゃんだ。


「萌ちゃん………脅されてるんでしょ?大丈夫!?怪我してない?」

しかし、萌ちゃんの返事は帰ってこない。


ドアも閉まってるし、向こうには聞こえないと思うんだけどなぁ…………。


「こんな状況で萌えのことを心配してくれるのねぇ………」

「え、当たり前じゃん!」

「萌は綺羅ちゃんに酷いことをしたのに」


それは、脅されてたからじゃん!!

関係ないよ……。


「………はぁ。萌言ってなかったけどぉ、正直綺羅ちゃんのこと嫌い。萌が仕組んで今回やったことなの」

……………………え?

「信じられないって顔だねぇ。でも、本当のことぉ。奴らは依頼されて動いてるだけ」


萌ちゃんがそんなことするわけ…………………。


「これなら分かるでしょ?綺羅ちゃんが来てから萌の居場所は無くなったの。前までは萌に掛けられた言葉も笑顔も全部綺羅ちゃんに向けられて、萌はいないのも当然だった」


私が来たから____……………?


「そんなことないって思ってるぅ?違うよぉ。貴女が来なければそこに萌はいたの。綺羅ちゃんが悪いんだからねぇ?萌の居場所を奪うから」

私が萌ちゃんの居場所を?


私が現れたから……………?


「ねぇ、貴女は覚えてるでしょ?萌、貴女にイジメられてたのぉ」

それは大平くんや周りが言っていたから、イジメてたってのな知ってるけど、内容を知らない。

「萌に会うたんびに暴言を吐いて、『いつか遥輝を奪うから』って言ったのよ。ほんとその通りになったよねぇ………………記憶喪失のフリしといて、軽々近づくなんて」


私がそんなことを………………。

でも、記憶喪失なフリなんかじゃない!!


「ときには萌をドンって突き飛ばしたりしたよねぇ…………だからそれも含め、これだけじゃ済まない。ちょうど面白い情報も得たことだし、教えてあげるぅ♪って言っても、覚えてるでしょうけど」


そう言って上から見下ろす萌ちゃんは、いつもとは違い、恐ろしく見えた。