繁華街には凌馬さんのバーがあるから、仮になんかあった場合駆け込めばいいし…………。取りあえず萌ちゃんだけには何も被害なければ良いんだけど。


「もう直ぐだよぉ~!」


シャッターの締め切られた繁華街を歩く。


ガランとしていて、人なんて私達以外歩いていない。


本当にこの辺にあるのかな?



「この角を曲がるの!」

そう言った場所はお店なんて絶対ないような日の当たらない暗い脇道。


「え、本当に………この先にあるの?」


「うん!」

本能では危ないって思うけど、萌ちゃんが嘘なんてつかない。

「分かった……………」

恐る恐る中へ進んでいく。


どんどん道が細くなり…………行き止まりになった。


「ねぇ、萌ちゃん…………………本当に……」


そう言って振り向こうとしたとき、

_____ガツンッ…………!!!!


頭にもの凄い衝撃が走った。

一体何が起こったのが放心状態だったけど、萌ちゃんの手に持っていたのが鉄パイプで殴られたんだと、徐々に分かった。


「この子を運んで」

「分かりました」

ガラの悪そうな人がたくさん萌ちゃんの周りに立っており、その中の数人が私の腕を掴んで起き上がらせる。


頭から血伝わって視界に映る。

なんとか意識を保っていたが、口元に薬品を含ませたハンカチをあてられ、フッ…………と意識を手放した。