記憶を失くした少女【完】




【side萌】


「あら萌さんおかえりなさい!」

学校から20km離れた位置に萌の家はある。そこら辺のに比べると割と大きな家で、よく目立つ。


家の中には5人の使用人が働いているんだけど、萌が起きてるときに両親は帰ってこない。お父さんは社長、お母さんはその秘書だから、会社のことで忙しいんだってぇ………。


朝会っても挨拶ぐらいで、すぐに会社に行っちゃうから深いった話なんてしない。

「今日も電車で帰られたんですか?」

「うん。友達のお買い物手伝ってたの」

「あら!それは楽しかったですね!直ぐに晩ご飯の用意致しますね♪」


使用人の江藤さんと言葉を交わすと、2階にある自室へと向かった。