記憶を失くした少女【完】




「萌ちゃんって化粧するの?」


肌なんて透明感あってきれいだけど……。


「うん。厚化粧は嫌いだけどぉ、塗り方や仕方によってはすごくナチュラルになるんだよぉ!綺羅ちゃんの場合はぁ~………肌そのままできれいだからシンプルにグロスだけで大丈夫と思うよ!」


グロスなら確か部屋のドレッサーのとこに置いていたっけな?それを、使えば買うお金が減るよね!


「今度試してみるね!ありがとう、萌ちゃん♪♪」

化粧とかよく分かんないし、そもそも化粧って好きじゃないんだけど、唇だけならケバくも見えないよね!


「………………か、帰るんじゃなかったのぉ?」


「あ、そうだね!買わなくてもよかったの?」

「やっぱり高いし、また今度にするぅ~」


「それじゃあ、帰ろっか」


女の子同士で買い物に行くという夢が叶った、楽しい日だった。