記憶を失くした少女【完】




通話を切ると、凌馬さんのいる場所へ向かった。

ドアの前でキョロキョロと辺りを見渡しているところを見ると、まだ私が近くにいるって分かってるみたい。



「凌馬さん!」


「…………綺羅!外の空気吸いに行ってたのか?」


「友達から電話来てたから話してたの」

「そうだったんだな。取りあえず中に入るか!」
 

凌馬さんが私を見た瞬間、ホッとした表情をしたのを私は気づいていた。

きっとまた何かあったのかもって、心配してたんだ……………なんか、悪いことしたかなぁ。


でも、わざわざ外出るのに報告するのもどうかと思うけど、やっぱり治安が悪いとこもあってか、それも必要なんだね………。