記憶を失くした少女【完】




「今、綺羅どこいんだー?」

「知り合いのバー」


「バー!!??………お酒飲めねぇ顔して、お前って行くんだな(笑)」


絶対お酒飲んでると思われた……………違うから!!!!


「私はお酒飲まないから!前の付き合いで仲良くしてもらった人がバーを経営してるの。それで今もこうして通ってるってこと」


「へ~!あそこの繁華街か?」

「うん」


「あ~………行き帰り気をつけろよ?俺あそこで絡まれてるから」


え、そうだったんだ!!

それじゃあ、凌馬さん尚さら知ってるかも!!


「柄悪い奴もいるし、酔っぱらいもいるし__………………とにかく気をつけろよ!!遥輝からも言われてるだろ?」

「…………………言われた」


遥輝ってしつこいぐらい、気をつけろって言うんだよ!?

まぁ、確かに色々あったから言うことも分かるんだけど…………………、そうそう変なことされないよ(笑)

人通り多いし、ごくたま~に警察も出歩いてるし。


「まぁ、気をつけるよ…………………あ」

カラン♪とドアの開け閉めの音が聞こえた為、ドアの方を振り向くと、凌馬さんが私を探しているのが見えた。


「どうしたんだ?」


「ごめんね!もう行かなきゃ」

「あ~……………今日は屋上で話聞いてくれてありがとな。結構スッキリした!また皆でどっか遊び行こうぜ♪」


「そうだね!また何かあったら私で良ければ話聞くし、何でも言ってよ。やっぱ遥輝達には言いにくいことだってあるでしょ?」

「………………そうだな。ありがとな。それじゃあ、また明日!」

「はーい!」


_____ピッ。