記憶を失くした少女【完】





「もう片付いたのか~!流石だな(笑)」


そんなとき、金髪の1人の男がやってきた。


「………遅えよ、旭川(あさひがわ)」


「あれ、コイツら何?奴らの下っ端?(笑)」


「…………………巻き込まれた奴らだ」


「それは辛えな~。で、どうだった?」

「噂で聞くより弱い奴らばかりだった。数分でかたがついた。これでもう続けることは出来ないだろ」

「県でトップ3位とか言われてるけど、そのほとんどが汚えことして這い上がったやつらだからな。実力でも何でもねぇな」


「薬に手を出していたやつらだ。汚えことをすること以外、考えつかねぇよ(笑)」


この人…………………戦いながらそんなとこも把握していたのか。


それにしても、この人たちは一体何なんだろう。


目的があってここに来たっぽいが………………。


「取りあえず用は済んだ。帰るぞ」

「お~う♪」


何事もなかったように立ち去る2人組。


最後に言われた言葉は『またな』だった。


遥輝とはこの出来事をきっかけ親しくなり、元から族を立ち上げたいと考えていたらしく、2人で高校に進学したら立ち上げようと話した。


それまでは強くなれるように、ガラの悪い奴らが屯う路地裏で、ひたすら宛もない喧嘩を繰り返した。


そして、仲間も徐々に集めた。


しかし、いくら強くなり県内でトップ1だと言われても、あの日の男たちに会うことはなかった。