「…………………なんだ?そこの赤髪はずいぶんと悔しそうだな(笑)」
「……………悔しいさ。自分の中では強い気でいたのに、実際のところ何も守れやしないんだからさ……」
座ったままの遥輝はそう言って頬から出ていた血を拭った。
確かに喧嘩が強いやつだったが、高校生相手に全然歯が立たなかった。
「喧嘩っていうのは慣れしかねぇ。量をこなして、強くなるしかねぇよ」
「…………じゃあさ、俺が強くなったらあんたの仲間にしてくれよ」
「それな無理だな。俺、どっかの族に入ってたり、作ってたりしてねぇから。まぁ、強くなればその内俺の耳まで届く。だから、お前の族を作れ。そして、俺を倒しに来いよ(笑)」
そう言って笑う顔は余裕そうでどこか自信げだった。



