記憶を失くした少女【完】



「………………チッ。お前だけでも何とかこの場から逃してぇんだけど……」


「……え?元は俺が悪いのに……」


なんで、知らないであろう俺のことをそこまでしてくれるのだろうか?


「俺にも落ち度がある。せめて、この状況をなんとかしねぇとな………………」


相手は30人。俺らは2人。どう考えても、力の前に人数負けしてる。


「おらっ、よそ見してんじゃねーよ!!」

男の1人が俺に殴りかかり、勢い良く後ろに飛ばされる。

もの凄い痛みが殴られた場所にはしる。


「友達くんと一緒にくたばれ(笑)」

蘇芳遥輝の方も数人が殴りかかりにきたが、それを華麗に避け、数人に殴り倒す。


まさか蘇芳遥輝がここまで喧嘩できる人だとは思っていなかった………。


相手もそんな蘇芳遥輝に驚いている様子だったが、臆することなく次々と1人に襲いかかる。


「……………グッ」

お腹に1人の拳がヒットし、痛そうに顔をしかめる。


やはり、この人数じゃやられるしかないよ…………。



諦め半分でそう思ったとき、