記憶を失くした少女【完】




呆れたようにため息をつく。


「何心配してくれたのか?(笑)」


こうゆうときだけ状況を察したのか、面白そうに笑ってくる大平くんは昨日とは違う元の大平くんだった。


「だって……………。ほら、早く席に着いてカバンおろせば?」

「ハハッ(笑)」


相変わらず大平くんたちは皆の視線を集める。教室に入ってからずっと周りから見られてる気がする………………特に女子から。


もう直ぐで3限目が始まることもあり私も席に着こうとしたら、席についたはずの大平くんが私の目の前にいた。


「ちょっと抜け出さね?」

いつもは私にそんなこと言わないのに、この日は珍しくそんな事を言うものだから昨日のことがふと脳裏に浮かぶ。


RYUSEIの人抜きで誘われるとしたらやっぱり昨日のことしかない。そう思った私は大人しく大平くんのあとについて行くことにした。