記憶を失くした少女【完】





次の日。授業が始まる時間になっても大平くんだけは学校に来なかった。


気になって天野くんに聞くと、「大平?あー、どうせ寝坊じゃない?」って軽い感じだったけど…………………絶対昨日のことが関係してる。


宇佐くんも『たまにあることだから』と、そこまで気にしていない様子で、私だけ無駄に気にしすぎてるような気もするけど……………………………。


1限目・2限目と授業が終わり、2限目終わりの休憩時間のとき、話し声などでザワザワする教室の中に大平くんが入ってきた。


「おっす、綺羅」

眠そうにあくびをする姿は確かにいつも通りだ。

っていうことは……………みんなの言う通り寝坊!?


「もう…………」

心配して損したよ……。