記憶を失くした少女【完】



「………ってか、よく見たら蓬じゃね!?笑」


「金髪とかウケるー!お前、変わったなぁ~(笑)」


何やら大平くんの知り合いらしい。


急に大平くんがおかしくなったのは、そのせいだったのかな………?


「なぁ、このバイクお前のー?これ貸してくんね?」

「俺ら友達じゃん!な?」

向こうはそう言うけど、何かわけありに感じる……。

「ってか、なにその可愛い子!!!!ドタイプなんっすけど!その子こっちに貸してくんなーい?(笑)」


大平くんは黙ったまま。


この状況はちょっとヤバイような………………。


「ほら、こっちおいで~!」

______グイッ。


「キャッ………!」


強引に腕をグイッと引かれバランスを崩し、前に倒れ込みそうになったとき、私の前に手が伸び体を支えてくれた。

この手は…………………………。

「大平くん………!」


「怪我とかさせたら遥輝から殺される」


そう言って苦笑いしてみせた。

別に怪我しても、遥輝何にも言わないと思うけどなぁ~………大げさな。