記憶を失くした少女【完】



「………………………」


____シーン…………。


私が言い終わったあと、謎の沈黙がその場を襲う。


誰もなにも言わなくて、何を考えてるのか分からない空間。



でも、それを1つの拍手が打ち破ると、それに続いて一斉に拍手の嵐が降り掛かった。


「取りあえず、よろしくなー!」

「その話だけで信じてねぇけど、これから絡むうちに知っていくな!」

「お前も前のやつじゃねぇって行動で証明しろよー!」


下から私を歓迎するような野次が聞こえてくる。


これって、つまり………………………。


「仲間として歓迎されたってことで大丈夫………なのかな?」 


これで本当に仲間になれたんだ………。


「あぁ。改めてよろしくな」


遥輝は隣にいた私にそう言って微笑んだ。

この場だからか、そんな遥輝の笑顔がこれまでよりも、更に眩しく見えた。