記憶を失くした少女【完】








次の日の放課後。


終礼を済ませると急いで机の中に入れていた荷物を、カバンの中に押し込んだ。


「準備できたかー?」

そう声をかけてきたのは同じクラスのRYUSEI幹部…………まぁ省略すれば大平くんで、その周りに支度を済ませた矢野くんと天野くんが立っていた。


「遥輝達待ってんだから早くしてよねー」

「…………………よし!できたよ。お待たせ!」


一緒に終わったはずなのに、なぜか私だけ支度が遅かったんだよね………。

「今度からは1分以内に支度済ませろ」

「えー!そんなの無茶だぁ……………」


そんな手厳しい矢野くんの言葉や少し冷めた感じの天野くんの言い方も、今じゃだいぶ慣れた。


最初は対応に困ってたんだけど、慣れって怖いね!