『っ、悠太!』
「んあ?」
“距離をおかねーと。”
そう言ったのは、誰だ?
…誰もいない、悠太でも、舞羽ちゃんでも、
……ましてや僕でも無い。
「なんだよ?」
ほら、誰も言っていない。
これは、僕が勝手に引いた境界線で。
僕と悠太が2人で居た丸い円の中に、舞羽ちゃんを引っ張ってきてそこに1本の線を引いた。
ここからは、僕の区内で、そこは悠太と舞羽ちゃんの世界でしょ。って。
でも、ほら。
俺と悠太は席が前後で、周りが噂するニコイチで、
親友、みたいだから。
『待ってる!僕、待ってるからねっ、!』
「……はあ?」
距離を引かないことは、悠太にも舞羽ちゃんにも悪いと思うけど、
引きすぎることは、僕にだって悪いと思うじゃん?
__仮にも、
『ほら、早く行ってこいよ!』
「なんだよ、ったく。」
『後でね~』
何だったんだ、と言いたげな顔をして教室から出ていった悠太。


