ハクアと別れた僕はキッチンに行き、クレープを作り始めた。

作りながら僕はハクアの言葉を思い返していた。
(〜早くなかった〜?
どういう意味だ?
何が早まったんだ…じゃあ早まらなければ何かが変わっていたのか?)


僕はハクアの言葉に、二者択一のこの理不尽な状況を打開するヒントがあると信じたかった。

そんな事を考えながら、作り終わったクレープをミルカに持っていってやった。


「ほらよ。あまーいクレープだぞ。」

僕はミルカにクレープを差し出した。
するとミルカはこれ以上ない程の満面の笑みを浮かべた。


「やった〜♪♪♪♪
いっただきまーす♪♪♪」

ミルカは美味しそうにクレープを食べている…
クレープを食べているミルカを見て僕は思っていた…。
(僕がこの世界を救わないとミルカも…でもその為にハクアの世界を見捨てられるのか?
ハクアは両方の世界を救う方法は無いと言っていた。
だけど僕は探し出してみせる…絶対に)


僕はその考えが頭を巡っていて気付かなかった…ミルカが真面目な顔で僕を見つめていたのを…。