ハクアは、それを確認するように言葉にした。


「とにかく帰ろうか。
ミルカやダンも心配してるだろうしね。」

次の瞬間には、ハクアはいつもの調子に戻っていた。


「…ああ、分かった。」
僕はうなずいて、ハクアと一緒に廃墟を出た。


「アー君!!!
やっと見付けた〜♪♪」
ミルカは俺を見るなり飛び付いてきた。

「ハクア君が見付けてくれたんだね、ありがと♪♪」

ミルカは俺に抱き付きながらハクアにお礼を言った。


「ミルカ―!!いい加減に離れろ〜!!」

僕は顔を赤くしながら、ミルカを自分から引き離した。


「全く、ミルカに心配掛けるなよ。」

ダンは全く心配してない顔でそう言った。


「そういえば、こんな所に何の用事だったの?アー君?」

ミルカが無邪気に聞いてきた。
僕は一瞬全てを話そうと思ったけど、話があまりにも大きすぎるので心配を掛けたくないという思いが生まれて話せなかった。


「…まぁ、ちょっとした用事があったんだよ。
大した用事じゃないし、それにもう終わったから。」

ミルカの頭を撫でながら、僕はそう言った。

「ホントに〜?」