それから暫くし 幾度も幾度も戦地へ向かい撃退数を増やしてきた。

空のエースとも言われる様になり 大本営からも一目おかれるようになった。

日本軍では俺に勝てる相手は居ないって言われるくらいに強くなってた。

女学生達も もくもくと仕事をこなし俺達を支えてくれてた。

でも、日本軍の戦況は劣勢を極めていて ある作戦が上官から伝達された。

その作戦は・・・・・・・・・特攻という人間の道徳から外れた作戦だった。

作戦は 零戦の腹に250キロ爆弾を抱えて 敵艦に突っ込むという馬鹿げた作戦だった。

関幸夫と言う飛行機乗りが成功させてしまったため大本営が調子に乗った。

今頃で 祖国を守るため 必死にやってきたが 何故無駄死にしろと言うのか。

次々と 若い隊員が戦死していき 最後に遺された俺達 神風振武隊第一部隊は最後の砦として残されていた。

3角兵舎では 皆暗い顔をしていた とくにおちゃらける憲治も暗い顔をしてた。

隊員だけではなく 女学生達も暗かった。

凛子 「いつ出撃なんですか・・・?」

幸輔 「明後日には 海の藻屑だ」

俺は 心に余裕がなくなったのか 凛子に冷たくなっていた。

それでも凛子達は 俺達の世話を焼いてくれてた。

その夜に 凛子を呼び出して抱いてしまった。

凛子 「んんっ・・・満足しましたか・・・?」

幸輔 「すまん・・・死ぬと思ったら狂ってしまった」

凛子 「心中お察しします・・・私はこういう事でしか 貴方を元気づけられません・・・」

そんな凛子を俺は抱きしめていた。

その頃 憲治達も 女学生を抱いていると凛子が教えてくれた。

今日 女学生達で話し合ったと 全員快承してくれたらしい。

戦死する若人は女を知らずに死んで行くのが多かった せめて死ぬ前に女という物を知って未練を一つでもある無くなるようにとの女学生の計らいだった。

美代を裏切ってしまったけど これから死に行くんだ・・・それで罪滅ぼしだ。

次の日 俺の部隊の表情は晴れ晴れしていた。

寛治 「昨日は満足できた これで特攻に行ける」

部下達 「はい!無心で行けます!!」

幸輔 「君達には助けられて来たね この隊の隊長としてお礼をするよ!本当にありがとう!」

凛子と女学生達は俺達を見つめて涙を流していた。

凛子 「泣くのは禁止ですが・・・泣かせてください・・・」

女学生 「うっうう・・・」

幸輔 「満足するまで泣きなさい」

俺達は泣き止むまでそばにいて慰めた。

それから 暫くし俺達に出撃命令が出た。

藤巻少将が俺達の前に現れる。

藤巻 「大本営から出撃命令が出た! 神風振武隊第一部隊全機 敵空母に向けて特攻せよ!」

皆「はっ!!!」

幸輔 「全機搭乗!!」

寛治 「幸輔!機体変わってくれないか?」

幸輔 「何故?寛治の零戦の方が新しいだろ?」

寛治 「その機体 思い出が有るんだよ 頼むよ!」

幸輔 「わかったよ」

しつこい寛治に折れて 機体変更になった。

俺達は走って寛治の零戦に乗り込んだ。

幸輔 「コンターック!!」

栄式エンジンがかかる。

ブルンブルン!ゴァァアアアア!!!

幸輔 「外せ!!」

整備兵が、タイヤ止めを外す。

ゆっくりと滑走路に向って動きはじめた。

滑走路付近に人影が見えた。

幸輔 「あれは・・・凛子達」

零戦が凛子達女学生の前をゆっくり走ると皆の声がする。

凛子 「幸輔さん!寛治さん!」

俺は凛子に敬礼して スロットルを全開にして飛びたった。

寛治も俺の後に続き飛ぶ ぞろぞろと後に零戦が連なる。

全機無事に飛び上がり 編隊を組む 数時間飛ぶと 俺の機に異変が現れた。

ブルンブルン・・・

幸輔 「なっ・・・!油圧が!」

ビシャ!っと前方の風避けにオイルが付いた。

回転数が落ちていき 高度が下がって行く。

寛治の方を見ると 戻れと合図していた まさか・・・あいつ 壊れるの分かってて機体交換したのか!?馬鹿野郎!!。

幸輔 「何してんだ!!寛治!!なぜだーーー!!」

俺の機は部下達に置いていかれて ゆっくり下降しはじめた。

俺の横で並行に飛んで居た 寛治はニコッと笑い敬礼していた 他の部下達も笑顔で敬礼して行った。