地元を離れて 俺は知覧基地に配属になった。

一式陸攻に乗り 知覧基地に降りると 多数の兵が並んでいて 皆疲れきった表情だった。

一式陸攻から学徒立ちが次々と降りて来る そして 上官になる 藤巻中尉の指示の元 1列にならんだ。

藤巻 「市丸閣下! 学徒 20名到着致しました!」

市丸 「うむ!」

藤巻はビシッと敬礼をして 列に戻る。

藤巻 「市丸利之助中将閣下に敬礼!!!」

その号令で 俺達は 市丸閣下に敬礼をした。

市丸 「長旅ご苦労! そう固くならずに楽にしなさい」

藤巻 「全体休め!」

ばっと 皆休めの体制になった。

市丸 「君達 学生には 本当に申し訳ない!でも この日の国日本が窮地に追い込まれているのだ 君達の腕に未来の日本の運命がかかっているのだ 今日はゆっくり休みなさい 以上!」

藤巻 「市丸閣下に 敬礼!!」

市丸 「武運を祈る!」

そして 市丸閣下は踵を返して豪に戻って行った。

藤巻 「これから 貴様達が寝泊まりする三角兵舎に連れていく」

そして、俺達は森の中に入っていき 1つの建物についた。

藤巻 「ここが 貴様達の生活する場所だ! 暫く休息をしろ!以上!」

俺達が敬礼すると 藤巻中尉はビシッと敬礼して 去っていった。

俺は 床に腰をおろして荷物を置いた。

するも俺の隣に 1人の男が座った。

寛治 「よっ!」

幸輔 「?」

寛治 「俺 寛治って言うんだけど お前は?」

幸輔 「ああ 俺は幸輔っていうんだ」

寛治 「幸輔かぁ!宜しくな!仲良くやろーぜ!」

この寛治って男と俺は良き戦友になる事になった。

次の日から 訓練が始まった俺達20名は戦闘機に乗るために知覧基地に来たのだ。

身体を鍛えぬく事から 戦闘機に乗り模擬空戦したり 毎日クタクタになるほど訓練が続いた。

疲れると 美代の写真を見て踏ん張った。

ときどき 美代からの手紙が届くが検閲されてくる。

この検閲がクソだった 必要な文書が黒く塗りつぶされるのだ。

でも、美代の手紙で頑張れていた。

それから 1ヶ月が過ぎ 俺達は4部隊に編成された。

俺は 4部隊1部の部隊長を任され 下に寛治も配属された。

寛治 「これから頼むわ!部隊長さん」

幸輔 「お前の方が適任な気がするけどな」

寛治 「いやいや 零戦の技術じゃ俺はお前に勝てん 実力の結果だよ」

そんな話をしてると、俺の部隊の後輩達が話しかけてきた。

後輩達 「幸輔さん!幸輔さんを死ぬ気で守ります!だから 心置き無く敵を撃ち落としてください!」

幸輔 「そんなに気張らなくても良いよ 自分の身は自分で守るし お前達も生きるために自分を守れ!」

寛治 「お前の後ろは俺に任せとけ!絶対に落とさせない」

幸輔 「ああ」

と3角兵舎でそんな話をしていた。

次の日 自分の愛機の整備を手伝っていると 藤巻中尉が走ってきた。

そしてサイレンが鳴り響く。

ウゥゥゥゥゥ!!

「敵襲!! 敵機5機!!」

藤巻 「第一部隊出撃!!」

俺を含め 5機出撃したんだ 俺を先頭に飛び立っていく。

全員飛び立ち 暫く飛んでいると 前方に敵機らしき機影が見て取れた。

幸輔 「寛治!来るぞ!」

寛治 「おう!」

俺は スロットルを開けて突進して 距離をちじめる。

敵機が機関銃を撃つ。

スレスレで交わして 空に急上昇して 敵の後に回り込み 20ミリ機関銃のレバーを引いた。

ダダダダダ!

数発 敵機に命中し落ちて行く 寛治も1機落とした。

俺は 敵機の射撃を掻い潜り 2機目を落とした。

後輩達も俺と寛治の援護をして守ってくれてるから 楽々に5機全滅させた。

寛治 「よっしゃ!」

幸輔 「全機 帰還する!」

無線から 後輩達の了解を聞き 基地に戻った。