あの頃は確か 俺が学徒出陣で赤紙が送られたことから始まった。

その時 俺はまだ若干17歳の学生だった 美代とは 幼馴染で家が隣ということで 俺の家族と美代の家族はお互いに助け合いながら過ごしていた。

幼馴染の 美代と俺の家の玄関先で談笑してると 自転車に乗っかった郵便配達員が家の前で止まった。

郵便 「幸輔君 君に赤紙が来てしまったよ・・・」

郵便が俺に赤い紙を渡す 俺は受け取り読んでみるとそこにはこう書かれていた。

「臨時召集令状」

俺はこの紙の意味を知っていて 呆然としていた。

郵便配達員は こんな戦争早く終わればいいのにと言い去っていった。

すると 隣の家から人が出てきた 俺は顔をそちらに向けると 美代が居た。

美代 「あれ?こーちゃん?」

幸輔 「・・・・・・ああ 美代」

俺は 抜け殻のような返事をした。

美代は 俺がおかしい事に気付いた。

美代 「何その赤い紙? 見せて? 臨時召集令状?何それ?」

幸輔 「お・・・俺・・・戦争に行かなくては行けなくなった・・・」

美代 「そんな・・・こーちゃん・・・」

美代が手を口に当てて驚いていた。

この頃の大日本帝国陸軍 海軍は劣勢を極めていた。

日本兵は ABCD包囲網に囲まれてる 戦死者が増すばかりで遂に学生まで出陣しなくては行けなくなった。

幸輔 「俺・・・死にたくない・・・美代とこれからずっと生きてけると思ったのに・・・」

美代 「こーちゃん・・・戦争に行かないで・・・」

この時は 美代は俺の許嫁だった 大学卒業したら 結婚しようと約束もしていた。

この赤紙を貰うと 拒否権無しで行かなければならない・・・断ると 非国民と罵られ 家族が辛い目にあってしまう・・・。

それは 避けたいが 美代と離れ離れになるのは辛い・・・。

幸輔 「この紙を貰うとな・・・拒否権が無いんだよ・・・」

美代 「そんな・・・」

美代の目から ポロポロと涙がこぼれた それをタオルで拭いてやり 抱きしめた。

戦争なんかで 死んでたまるかと気合いを入れた 俺は美代と結婚し子供をたくさんの作るんだ。

と思いながら 抱きしめた続けた。