身体も良くなってきて 吾作さんの畑で 美枝子さんと仕事をしてると 轟音が轟いた。

空を見上げると 数十?数百?の飛行機が飛んできていた。

俺の頭上を通り過ぎていく 爆音で耳がいかれそうだった。

幸輔 「美枝子さん!逃げましょう!」

美枝子 「ええ!」

俺と美枝子さんは走って 防空壕の中に逃げた。

中には 瑠璃ちゃんと多数の島民がいた。

瑠璃 「おじさんは?」

美枝子 「ここにいないの?!」

幸輔 「美枝子さん!ここにいてください!見てきます!」

と言うと 俺は走って豪から出て 吾作さんを探した。

探してる最中 B29が爆撃を始めた。

ヒューンヒューンと落下音が響き 至る所で爆発していた。

瞬時に 畑や山が焼けていく 逃げ惑う島民を容赦なく爆撃する。

これがアメリカのすることか! 罪も無い人々を殺すのか!。

暫く探してると 前方に血を流して倒れてる人がいた。

近づくと 吾作さんだった 俺は駆け寄り抱き起こした。

幸輔 「吾作さん! うっ!酷い!」

吾作 「ああ・・・幸輔 俺はもうダメだ・・・」

吾作の片足は吹き飛ばされ無く 内蔵が飛び出していた。

激痛に顔を歪ませてる どくどくと血液が流れて周りを真っ赤にそめた。

吾作 「幸輔・・・美枝子と瑠璃を頼む・・・俺にはもうあいつらを守る事が出来ない・・・た・・・の・・・む・・・ぞ・・・?」

と言うと 吾作さんの力がスっと抜けて息を引き取った。

俺は 吾作さんの名前を呼びまくった。


吾作の亡骸をゆっくり横たえて 俺は豪に戻った。

遠くで B29が絨毯爆撃を始めた もはや自然が溢れていた沖縄も火の海になった。

必死に爆撃を掻い潜り 美枝子さん達のいる豪に飛び込んだ。

美枝子 「幸輔さん!」

瑠璃 「おじさんは?!」

幸輔 「吾作さんは・・・悲しいけど亡くなりました・・・」

そう伝えると 急に美枝子さんがおかしくなった。

美枝子 「あはは・・・あの人が死んだ・・・あははっ!きゃははは!!」

瑠璃 「美枝子おばさん!!しっかり!!」

瑠璃ちゃんが必死に美枝子さんを抑えてる。

幸輔 「美枝子さん・・・聞いてください 吾作さんの遺言です そのまま伝えます 俺はもうあいつらを守れないから 幸輔が美枝子と瑠璃を守ってくれとの事です だから 俺は貴方達を死ぬ気で守ります」

そう言い 俺は二人とこの激戦区を駆けずり回る。

この二人を生かすには この沖縄から抜け出すことを考えないと行けない。

先ずは 沖縄戦に上陸している日本軍を探す事にした そして 陸軍の藤巻少将に連絡をとり救援に来てもらうことにした。

3人でさ迷うこと数日 屍を乗り越え 日本軍の野営地に着いた。

入り口で 警備兵に止められた。

警備兵 「ここは立ち入り禁止だ!」

幸輔 「 藤巻少将に連絡をしたい!」

警備兵 「貴様は誰だ! 何故少将をしっている!」

銃剣を突きつけられるが 引かなかった。

幸輔 「貴様たち 階級は少尉か?」

警備兵 「そうだが それがなんだ!」

幸輔 「俺は振武隊第一部隊の幸輔大尉だ!」

それを聞いた 警備兵が敬礼して 失礼しました!!と不動になった。

幸輔 「藤巻少将に連絡をしたいんだが」

警備兵 「少将なら この奥の建物にいます! どうぞ!」

俺達は 奥の1番大きい建物に入ると 藤巻少将が掃除していた。

藤巻少将は 厳しい人だけど 真の日本男児でいいひとだった。

幸輔 「藤巻少将!」

藤巻 「ん? 幸輔大尉!! 生きてたのか!!」

幸輔 「はい」

藤巻 「よかった!あんなクソな作戦でお前を亡くすと思うと悔しかった ん?そのご婦人方は?」

藤巻少将が美枝子さん達の方を見ると美枝子さんが頭を下げた。

幸輔 「この方達は 私の命の恩人の人です」

藤巻 「そうなのか うちのエースパイロットを救って頂きありがとうございます!」

美枝子 「そんな頭を上げてください!私達は当然の事をしただけなので!」

軍のトップファイブに入る 偉い人に頭を下げられ 美枝子さん達は困っていた。