ここは 葬儀場 ある女性の葬式を執り行っていた。

喪主の老人は 妻の遺影を見て考えていた 最愛なる妻 美代を思っていた・・・。

老人 (美代・・・俺と居て幸せだったか? 俺はお前と居れて幸せだった・・・長い間 俺の傍に居てくれてありがとう・・・安らかに眠ってな? もう少ししたら俺も そっちに行くから・・・まっててなぁ・・・)

和尚 「それでは お焼香を喪主様の旦那様からお願いします」

俺は 孫達の雪絵に支えられながら 焼香をした。

それぞれ順番に焼香をすませた。

雪絵 「幸輔おじいちゃん・・・」

幸輔 「ん? どうした?」

雪絵 「私・・・美代おばあちゃんが亡くなって寂しいよ・・・」

幸輔 「俺もだよ・・・」

さっきまで気丈に泣かずに居た 孫娘の雪絵がポロポロと涙をこぼした。

俺は 孫娘の背中をゆっくりとさすると 声を殺して泣き始めた。

俺も喪主だから 出来るだけ我慢してたけど もう寂しさで限界だった 俺は立ち上がり 妻の眠る 棺の中を覗き込むと 安らかな笑顔で目を瞑る 美代の顔が見えた。

幸輔 「美代ーーー!! うあぁぁぁぁぁ!!!俺を置いてかないでくれよーーーーー!!!」

雪絵 「おじいちゃん・・・」

坊さんや司会の人も ただ黙って俺を見ていた。

そして ひと通り葬式もおわり 火葬場に向かい 骨をみんなで拾って 最愛の妻の80猶予年の幕が降ろされた。

そんなこんなで 全てが進み 俺は美代との一緒に過ごした 家に一人ぼっちになっていた。

今 家には 雪絵が俺の傍で飯炊きとか掃除とかしてくれていた。

この時は コタツに二人で向かい合うように座った。

すると 雪絵が聞きたいことがあると俺に言った。

雪絵 「おじいちゃん あのね おじいちゃんとおばあちゃんの馴れ初めとおばあちゃんが亡くなるまでの話を聞きたいな・・・」

幸輔 「ああ・・・俺と美代の事かぁ・・・いいよ 長くなるけど・・・あの時は」

そうして 俺は美代と過ごした人生を話し始めた。