「あ、黒木!ちょっと来てくれ。」


ん?理科の先生?


「なんですか?」


「悪いけど、この実験道具を理科室に運んでくれないか」


「いいですよ」


重っ!

先生60過ぎてんのによくここまでが持ってきたな!?


「ありがとう。助かるよ。」


そう言って先生は職員室に帰って行った。


はぁ…なにかしてる方が気が紛れるな。


え、


「あれって…」


屋上に佐々木と葉月が楽しそうに話しているのが見えた。


あいつ俺の気持ち知らないしな…

諦めようかと考えたこともあったけど、

あいつが他の男と付き合うって考えるだけで腹が立つ。


なんとしてでもあいつは俺のにする。

俺はそう決めた。


「あ、理科室」


俺は理科室に実験道具を置いて、教室に戻った。