そんな私を母はさらに拒んだ。


兄は助けてくれなかった。



そんな中、海里だけは
いつでも私の側に居た。


寝るときも、遊ぶときも、お風呂のときも
ずっと私の側に居た。

笑わない、泣かない私に
幼い海里は言った。


『ねぇね、痛い?』

『かいりね、ねぇね大好きだよ。
だから、かいりが守ってあげる。』



私は初めて泣いた。

海里の前で大声を上げて泣き続けた。


そんな私を見て
海里は黙って私の頭を撫でた。

何も言わずにティッシュで私の顔を拭いた。