そのあと私達は父に呼ばれ
母の病室を出た。


しばらくの沈黙が続き、兄が口を開いた。
『父さん...。夏奈に。』

そして、父もようやく話し始めた。

『夏奈、よく聞きなさい。
...海斗のことだけどな...』


言いにくそうに詰まる父を見て
12歳の私は気が付いた。