「桃ちゃんみたいな気のきく可愛い女の子が、あの子の彼女だったらいいのになあ・・・」


いきなりミチルさんにそんなこと言われて、「なに言ってんですか!」って挙動不審になってしまう。

「ほんとそうよね、結構お似合いなんじゃない?」

べべさんまでわかってるくせにそうやってあおるから、カズ叔父さんまで調子にのって付き合っちゃえよとか言い出すからたちが悪い。


「カズヤ、桃はビト君と別れたばっかりなんだから、余計なこと言わないであげてよ。」


お母さんがそういって軌道修正をしてくれるので、ああもう私のことはほっといてくれるかと思ったんだけど・・・



「あの子はね、めんどくさそうな子好きになるからねえ・・・」

ミチルさんがそんな気になる事を言い出すから、思わずそれってどういうことですかって聞いてしまった。



「あ、ごめんなんでもないよ、エイジに怒られちゃうから。気にしないで。」


さすがに親子だけあって、同じようにやんわりと教えてはくれなかった。



「あの、この前お母さんも会ったっていうリンダさん?」


思い切ってそう聞いてみると、知ってるの?なんていわれて、自分で言っておいてちょっとしょげる。




「あ、そうだ桃、スイカ冷えてると思うから、蓮とエイジ君たちにもっていってあげてよ。」

いそいそとお母さんがまた席を立ってキッチンに行くと、手際よくスイカを切って御盆に乗せて私に渡した。


それ以上、私に何も聞かせたくないといわんばかりに・・・