やけに早く目が覚めて起き上がると、まだ外は薄暗かった。

ビトも早々と起きていて、もうシャワーも済ませて着替えていた。


「おはよう、まだ寝てていいのに・・・」



そんな風に笑って、いつものように優しくキスをしてくれる。

ああいつものビトだって思う。


昨日はちょっと違っていたから。



「今日も仕事?」

そんな風にきくと、今日は有名ブランドのファッションショーに出るんだという。


「そうだ、インビテーションカードあるから、エイジでも誘って一緒においでよ。
昨日そういえば誘おうと思ってたんだけど、忘れてた。」


渡されたカードには、去年の誕生日にお母さんが買ってくれたワンピースのロゴが書かれていた。


私も起き上がって身支度を整える。



ビトと二人で簡単な朝食をとる。
温かい紅茶と、焼きたてのパンと卵。

穏やかな朝の時間、ビトはなんだかいつもより嬉しそうだった。