「そろそろLieWooかな?」

夕日が沈み当たりも薄暗くなって、私達はマリンステージの方に向かった。

蓮とカオリさんもビーチにいたので、すぐ合流できて、みんなでマリンスタジアムに向かう。


何故かアキラ君も居てびっくりした。

カオリさん、嬉しかったんじゃないかなあ、両手に花状態で。



ナホさんとかミヤコさんとか、みんなもいつの間にか集合していて、マリンステージのスタンド席の結構いい場所でみんなでライヴを見る。

まともにこうやって見るの初めてかもしれない。
いつもこのステージだと、べべさんのバックステージで見てるからな。



「俺、そろそろバクステ戻るわ。ありがとな、レン。」


アキラ君はそういって、去年まで私とビトが一緒に見ていたバックステージに行ってしまった。


「なんか普通になじんでいたよね・・・あれほんとにアキラ君?」

笑いながらナホさんが言う。


「はぁ・・・緊張したわあ・・・」


カオリさんが嬉しそうに続けて言うと、蓮が「あれで緊張してたっていえるの?」なんて笑ってる。

そう、カオリさんはいつも通り明るくてはしゃいでいるようにしか見えなかったしね。



「今年のBabyの夏フェスツアーは、ずっとエビボがついて回ったんだって。
凄いよな、まだ十代で世界のトップスターと肩を並べるなんてさ・・・いくら親子だってさ。」


ジローさんがそんなことを教えてくれて、やっぱアキラ君も凄いんだなって思う。


ビトだけじゃきっと叶わなかったもの・・・彼がいたからきっとビトもやってくれてるんだな。





LieWooのライヴは初めてまともに見たけれども、やっぱり渋くてカッコ良くて、でもそれにたがわず早くて重いロックで、ファンも若い人が多い気がした。

ギターのダイスケさんには、10歳ぐらいぐらいの時に、やっぱりこのサマソニの会場で会った。

その時はたしかこんなに大きなステージじゃなくて、ビーチステージの方で、海岸で遊んでいた私達のところに、お母さんと一緒にやって来たんだ。


あのときのお母さんの顔が、優しくて穏やかで、お父さんといるときとは違う雰囲気があった。
あの感じはなんだろう?

お父さんに内緒にしているわけでも、浮気してるわけでもないようだけど、なんだか親密な気がしてドキドキした。



「りんの子か、可愛いな…」

そう言って私と蓮の頭を交互に撫でてくれてロックは好きかって聞かれたんだ。

私達は訳もわからず、うんって答えて、そうかって一緒に遊んでもらったんだ。