「指は?」 咄嗟に出た答えがそれだった。 「指か。」紗栄子が不気味な笑みを浮かべた。 「やめとけ。やめとけ。」 「どうして?」 紗栄子が両手を広げた。 「イーブンにするなら、お前も小指、切らねえとな。」 紗栄子の右手を見ると、小指がなかった。何かで切られたような痕がある。 「どうしたの? それ。」 「何。大したことじゃねえ。ちょいとマイク・タイソンにハメられたのさ。」