着替えてみると、赤のネルシャツが肩からずり落ちてくる。
それを直しながら、紗栄子に付いていくと、ベッドがあるだけの6畳くらいの部屋に通された。
まるで、「ショーシャンクの空に」のショーシャンク刑務所だ。それよりもひどいかもしれない。
「今日からここがお前の寝泊まりする場所だ。飯は自分で調達しな。ただし、法に触れる方法で調達するのはなしだ。」
そう言って、紗栄子が私に小さなポリ袋を投げてきた。
中には、錠剤が入っている。
「もし、サツに捕まったら飲め。ものの数秒で三途の川が見えてくる。この意味、わかるよな?」
なるほど。この世界のことを口にしないために、ヘマをしたら死ねってことか。