豚の丸焼きを三人でがつがつと、まるでライオンが仕留めたコヨーテを食べるときのように、品もなければ遠慮もなく、ただ腹を満たす作業の要領で貪り食った。



紗栄子は期待を裏切らない、女子力欠便症。



しかし、金子は多少、品があるように思えた。多分、育ちがいいんだと思う。金子にはどこか私や紗栄子のような一般庶民特有の空気感がまるで感じられない。



私は、食事を終え、お湯の温度と水圧が不安定な簡素なつくりのシャワーを浴びながら、どうしてこの二人がこの道に進むことになったのか、彼らのバックボーンのようなものに興味を持った。



でも、聞いても無駄だということはわかる。そんなことを人にベラベラ喋るのは私は好きじゃない。きっとそれは、こういう裏の世界に足を踏み入れようとした人間にしかわからない。