「稲荷神社とは盲点だった……。」



私は正直に認めた。考えが甘い。彼の言う「頭が悪」かったのだ。



「でも、それなら日本全国にあなたたちのような人間がいるってこと?」



「まあね。元締めが一人いて、僕たちは派遣社員みたいなものさ。稲荷神社の数ほどはさすがにいないと思うけど、それの5分の1ほどはいるかな? あくまで予想だけど。」



となると、殺し屋が約6000人……。6000人もの殺し屋が日本に存在するなんて……。



「世も末ね……6000人なんて。」



「これでも足りない方だよ。日本では年間11万人の自殺者がいるんだ。依頼も年々増えてるって話だよ。僕だって週に3人の仕事を手伝うことだってある。」



「まるで、コンビニのアルバイトみたいね。」



と言って、私はもう一つ気になっていたことを思い切って聞いてみることにした。