外には割とすんなりと出られた。



風が少し強い夜で、雲の流れが速く、三日月を覆い隠しては通り過ぎていく。



不気味な夜だ。



夜は好き。眠れない夜には、部屋のカーテンを少しだけ開けて、月明かりで読書をすることもある。



私が生まれてくるずっとずっと前からそこにあった光だ。人工の光じゃない。聖なる光。



そんな光を浴びながら文学を感じる。興あるロマンスだと思う。夜の下、月の下で生きていくことをやめた人間。どうして人は太陽を選んだのだろう。



私には太陽は眩しすぎる。